昭和学報

「女性とスポーツ」シンポジウム

安部 葉南
現代教養学科3年の学報委員。何かを発信する仕事に就きたいと思いこの学科に進学。最近の趣味は写真を撮ること。

 
 昭和女子大学では3月8日の国際女性デーを前にした3月6日、「女性とスポーツ」シンポジウムがオンラインで開催された。東京オリンピック?パラリンピック大会組織委員会の森喜朗前会長の発言を受け、緊急で企画されたシンポジウムで、稲澤裕子?昭和女子大学特命教授、小笠原悦子?順天堂大学 女性スポーツ研究センター長、宮嶋泰子?一般社団法人カルティベータ 代表、境田正樹弁護士、武川恵子?昭和女子大学 女性文化研究所所長?グローバルビジネス学部教授が参加した。
 

基調講演『女性のスポーツ進出の出発点 ブライトン宣言』

 シンポジウムでは、小笠原悦子 順天堂大学 女性スポーツ研究センター長による基調講演「スポーツと男女平等~ブライトン+ヘルシンキ2014宣言に学ぶ~」が行われた。長いオリンピックの歴史の中で、女性がどのように大会参加していくようになったのか、スポーツにおける女性の立場について語られた。ここでは講演の一部を紹介したい。
 そもそも、第一回オリンピックでは、女性が出場できる競技が存在せず、観客としてしか受け入れられなかったのである。それが今年開催予定の東京大会では、選手の女性比率が48.8%と、選手の男女比率がほぼ等しくなった。
 では、なぜそこまで選手の女性比率が高くなったのだろうか。その1つに1994年に開催された「第一回世界女性スポーツ会議」で発行された「ブライトン宣言」の存在が大きいと、小笠原氏は話していた。このブライトン宣言は「全ての女性が公平にスポーツに関わることのできるスポーツ文化を構築すること」が目的とされている。しかし、これらの目的は触ることができない。そのため、ブライトン宣言を目に見える形で分かるようにしたものが「世界女性スポーツ会議」である。「世界女性スポーツ会議」は4年に1度開催され、次回は2022年にニュージーランドのオーランドで開催することが決まっている。  現在ではブライトン宣言+2014宣言が発行されている。これは従来のブライトン宣言の言葉をアップデートしたもので、基本精神は変化していない。日本では2017年4月にスポーツ庁、日本オリンピック委員会、日本体育協会(現:日本スポーツ協会)、日本障害者スポーツ協会、JC(日本スポーツ振興センター)が署名している。
 最後にこのブライトン宣言に記載されている言葉を紹介する。
 

スポーツのあらゆる分野へ女性が最大限に参加することに価値を認め、それを実行可能にするスポーツ文化を発展させること
”To enable and develop a sporting culture that values the full involvement of women in every aspect of sport” 

 
 小笠原氏の基調講演に続いて、武川教授をファシリテーターに、パネリスト4人によるディスカッションが行われた。ここでは、スポーツにおいて女性がどのように活躍していくべきなのか、選手がより良いパフォーマンスをするための組織のあり方などが議論された。
 

意見

 このシンポジウムを通して、女性活躍のためにたくさんの人が尽力していたことがわかった。特に「初めてのオリンピックに女性が参加できなかった」という史実には仰天だった。私が見てきたオリンピックは男性選手も女性選手も出場していため、その男女比率も徐々に変化していることにも驚いた。
 加えて、アンコンシャス?バイアス(無意識の偏見)についても深く考える機会になった。いま自分が持っている考え方は偏見ではないか、と考え直すようにすることで、様々な人の生き方について考えることができた。
 多種多様な人々が生活する中で「皆が生きやすい」と、思う生活を実現することは難しいだろう。しかし、様々な生き方や考え方を知り、広い視野を持つことで、色々な考え方を理解できるようになるのではないだろうか。その理解が、スポーツ界からも広がっていけばいいなと感じた。
 同時に「女性活躍の場を広げる」という活動の大前提には「『能力のある女性』が適切な処遇を受けていない」という考え方があるだろう。この先、性別が人の判断材料として扱われない時代に生きるためにも、もっと自分自身を磨いていく必要があると感じた。
 

女性とスポーツシンポジウムプログラム

開会挨拶  坂東眞理子 昭和女子大学 理事長?総長
報告  「日本ラグビー協会女性初の理事となって」稲澤裕子 昭和女子大学 特命教授
基調講演  「スポーツと男女平等 ブライトン+ヘルシンキ2014宣言に学ぶ」
小笠原悦子 順天堂大学 女性スポーツ研究センター長
パネルディスカッション 
 パネリスト 宮嶋泰子 一般社団法人カルティベータ 代表 
     境田正樹 弁護士
     小笠原悦子 順天堂大学 女性スポーツ研究センター長
     稲澤裕子 昭和女子大学 特命教授
 ファシリテーター 武川恵子 昭和女子大学女性文化研究所所長、グローバルビジネス学部教授
閉会挨拶   小原奈津子 昭和女子大学 学長
総合司会   今井章子 昭和女子大学グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科長
 

男女平等を東京2020のレガシーにするために何が必要なのか?各登壇者の提言

?稲澤裕子 昭和女子大学 特命教授
「4割をになってジェンダー格差解消 金メダル!」
 
?小笠原悦子 順天堂大学 女性スポーツ研究センター長
「世界基準という(International Standard)本当の意味の理解」
 
?宮嶋泰子 一般社団法人カルティベータ 代表
「自分の心の中にある無意識の差別を洗い出し、改善する」
 
?境田正樹 弁護士
「ステークホルダーが力を合わせて、スポーツ界のフェアネス?ジャスティスを実現し、社会変革を駆動する」


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